最近、テーマが希薄になりつつある当道場でござるが(笑)
元々は「初心者向けメタセコイア講座」と云うのが出発点だったのでござる。
そんな訳でメタセコイア正式版のニュースは外せませぬ。
バージョン2.4.0から8ヶ月ぶりの正式公開版
Windows Vistaに対応したMetasequoia Ver2.4.1がリリースされ申した。
metaseq.netによる、主な機能追加・改良点のアナウンスは以下の通りでござる。
[Windows Vista対応] Windows Vista上での正常な動作を保障。
[格子変形の改良] 複数の制御点を選択して、ハンドルで操作できるうようになった。
[3Dペイントの改良] UVがつながっていない面をまたぐように3Dペイントを使っても正しく描画できるようになった。
[コマンドプラグイン] プラグインSDKを利用して、マウス操作を受け取って独自の動作を行うプラグインを作成できる。
普通、仕事に導入しておる市販のソフトウエアがバージョンアップされた場合、安定するまで最新版への移行は見送ったりするものでござる。
しかし、メタセコイアの正式公開バージョンと云うのは、ベータ版(次期リリース候補版)を試用したユーザからの要望、バグ報告等を開発者のMizno氏がじっくり吟味して反映、修正した上で「最も安定したバージョン」として公開されるモノでござる故、旧バージョンのユーザさんにも安心して導入をお勧めするでござる。
…と云うか、本来それが普通のベータ〜正式リリースの流れという気がしないでも無いでござるがな。(笑)
(販売のタイミングや納期等が優先される「企業」の商品では、最新バージョンが「有料公開ベータ版」のような位置付けになってしまうのも致仕方無いのでござろうか…。)
------------------------------------------------------------------
3月29日追記:
…と、お勧めしたトコロ申し訳ござらぬ。
今回のバージョンにはリリース直前の変更で、ちとバグが混入してしまった模様。(笑)
修正版Ver2.4.2を近日中に公開するそうでござる故、しばし待たれよ。
詳しくはO.Miznoさんのブログ参照。
http://metaseq.sblo.jp/
------------------------------------------------------------------
正式公開版は8ヶ月振りでござるが、メタセコイアにも「ベータ・バージョン」と云うものが在るのは、長年使い込んでおられる御仁であれば周知の事かと存ずる。
他の数多のソフトウエアと同じく、メタセコイアのベータ・バージョンも、不具合の報告や仕様に関する提案をしてくれるユーザに向けて公開される、次期バージョンのテスト版なのでござる。
故に、普通こういったベータ版ソフトウエアは不安定でも仕方ないモノなのでござるが、メタセコイアの場合は比較的安定しており、制作中のデータを破壊するような致命的なバグが混入する事もめったに無い故、新機能や改良点の恩恵をいち早く享受できるとあって積極的に導入されておる方も多いのでござる。
(無論、今後のベータバージョンに於いて致命的バグが発生してしまう可能性が無いわけではござらぬ故、公開の趣旨は理解しておかねばなりませぬ。)
斯く云う拙者も、作業効率の改善となりそうな機能追加が成されたバージョンは、積極的に導入してテストしておるクチでござる。
故に今回の正式公開版も、既に普段から使い慣れた仕様になってしまい、どこからどこまでが新機能だか判らなくなっており申す。
そんな訳で、新機能のレビューのような記事は書けませぬ。(なるほど。(゚∀゚)b)
昨今、次世代のモデリングツールとして、いくつかの新しいソフトウエアが脚光を浴びており申すが、ZBrushのような新しいアプローチの製品は別としても、事ポリゴンモデリングに関してメタセコイアは未だ拙者にとって最強のツールでござる。
拙者の場合、ソフトウエアが自動で処理できない部分。即ち形状のブラッシュアップ、微調整と云ったポリゴンモデルの質を決定付けるための作業を、どれだけ作者(ユーザ)の思考を阻害せずに、直感的に、気持ち良く行えるか…がツールの判断基準なのでござるが、結局それは「視点操作」と「選択操作」「頂点移動」のやり易さに集約されると思うのでござる。
この点に於いてしっかりと手に馴染むツールであれば、モデリング中の思考を「操作」の為に中断される事無く、極限まで集中力を高める事が出来るのでござるよ。(モデリング・ハイとでも呼ぶべき状態でござろうか)
作業工程上、やむなく3dsMAX(次世代モデリングツールじゃないけど…)で形状編集をする事もあるのでござるが、数十時間ぶっ続けで作業しても、中々こういう状態にはなり申さぬ。
無論、拙者もメタセコイアに不満な点がまったく無い…と云う訳ではござらぬし、新しいソフトには便利で他に代替が利かないような新機能が、多々盛り込まれておるのも確かでござる。
しかし、どうしても先に述べたような理由で、最後の仕上げはメタセコイアでなければしっくり来ないのが現状でござる。
云わばメタセコイアは「O.Mizno」の銘が入った大変扱い易い鑿と槌。粗彫りには最新の機械を使う事も有り申すが、それだけでは作品として仕上がらないのでござる。
つまりは「手に馴染む」ことに勝る機能は無いと言うことでござるかな。(単に拙者の順応性が低いだけ…かもしれませぬがな。w)
最後はジジイの茶飲み話になってしまい申した。 つ旦~~
メタセコイア モデリングチュートリアル
お題は「いのしし(亥)」
HTML版はこちら→KT爺メタセコイア指南書
2007年03月26日
この記事へのトラックバックURL
http://blog.sakura.ne.jp/tb/3599392
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。
※言及リンクのないトラックバックは受信されません。
この記事へのトラックバック
http://blog.sakura.ne.jp/tb/3599392
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。
※言及リンクのないトラックバックは受信されません。
この記事へのトラックバック
今年初めにPoser関係の検索でこちらへたどり着いて以来、CG関係の濃い内容とKTG爺様の心地よいえすぷりを楽しませて頂いております。
metasequoiaもシェア版を持ってましていくらか使うことはあるのですが、個人的には正直モデリングするときつらいものがあります。そこで最近、modoの体験版を試しております。ここの人物モデリングを見たときは衝撃でした。
http://www.luxology.com/community/tutorials/
メタセコイアではケージで編集しますよね? でも上記のビデオを見てますとサブデビの効いた状態で曲線を軽々と編集しています。こういうのを見せられるとんんん…って気持ちにさせられます。
メタセコイアでも技術のある人が使うと吉左衛門のような作品ができあがりますが、メタセコイアのケージを操作してあそこまで作るのは大変なんじゃないでしょうか。
あと、KTG様は3dsMaxも使われていますが、私も憧れはあってもちょっと値段的に手が出ません。
私はMaxやMayaなどのハイエンドと言われるソフトは触ったことがないのですが、モデリングに関してはmodoはかなりいいのではないかと思ってます。
もっとも、バグがいろいろとあったり、他の統合ソフトのようなアニメーションが出来なかったり、プラグインがなかったりと不便なところも多々あるようです。
素浪人殿、お初でござる。 良くおいで下された。^^
今回の記事は「拙者にとっては」…と云う部分が大きい事を、前置きとしてご了承下され。
なるほど…。ケージによる編集に違和感を感じる方もおられる訳ですな。
サブディビジョン・サーフェスの黎明期から弄っておるせいか、拙者はあまり気にしてなかった部分でござるよ。
慣れちゃったのか、最初から気にならなかったのか…さえも記憶に無いでござる。^^;
人物モデリングのように微妙な形状の差異が問題になるような場合、他のソフトと連携する事を考えて、曲面化の分割数も2分割以上にする事はめったに無いのも、気にならない理由かもしれませぬ。
(2分割の曲面で済む程度には、元のポリゴンも割っておく。元をある程度細かく割る事で、曲面化した時のケージとの差異もそれほど大きくは無いと云う意味でござる。)
しかし、メタセコイアの曲面化機能が実装当時からあまり進化しておらぬのも確かなのでござる。
ISOラインでの編集が無い事とは別儀でござるが、不満な点は拙者も要望を出しておる所でござるよ。
そうそう、拙者の場合…の追記として、視点操作が片手で行えるというのも、大きな点でござる。
飯を食うのも面倒なほど集中しておるときは、左手で握り飯をほおばりながら右手でモデリング…等と云う事も出来てしまうのは、メタセコならでは…と云う気がするでござる。(お勧めはしませぬ。ww)
次世代モデリングツールの中では、modoは一番有望なのではござらぬかな。
ゆくゆくは統合ソフトとして進化する予定のようでござるし、現状でも非常に高品質なレンダラーが標準装備されておるようでござる。
当道場的には、金額の事などもあります故、初心者さんに是非とお勧めする訳にはいかないのでござるが。(笑)
残念ながら他の製品は、販売元や開発元があっちやこっちに分散したり内情がどうなっておるのか…先行き不安で迂闊に「馴染む」気にもなれないのが痛いトコでござるよ。;;
とまれ、選択肢が増えることは良いことでござる故、自分に合ったツールを探すのも、ひとつの楽しみとして捉えたいものではござるな。^^
拙者が試して無いツールも多々有り申すし、情報や意見交換は大歓迎でござる故、今後ともよしなにお付き合いくだされ。
武士は相身互いでござるよ。(`・ω・´)
>元をある程度細かく割る事で、曲面化した時のケージとの差異もそれほど大きくは無いと云う意味でござる。
なるほど、これだとケージとサブデビが近似的な感じになりますよね。
ポリゴンを細かくしてしまうと今度はある一定の領域をまとめて編集(それも微妙な曲面であったり…)するのが大変だとは思いますが。
例のmodoのビデオは部分の最初からかなり作りこんでいますが、私はグラフィック云々以前に絵というものは全体を大まかにデザインして、そこから細かく詰めていった方がある意味正しいのではないかと思っています。これは絵に限った話ではないなぁというのは日常のことでもよく感じたりします^^;
その意味でケージでモデリングしていく方向も納得できます。
http://nkj.lib.net/sculpland/htmls/japanese/modeling/index.html
を拝見していますと、いろいろ考えさせられるものがあるのですが。
>飯を食うのも面倒なほど集中しておるときは、左手で握り飯をほおばりながら右手でモデリング…等と云う事も出来てしまうのは、メタセコならでは…
これは確かにそうですね、w
私も他のソフト使ってる最中、メタセコを軽快に立ち上げ、マウスだけでobjファイルなどをグリグリしてみることあります。ガムをくちゃくちゃ噛みながらやっても違和感ないという…。
modoは体験版で弄ってる範囲でみると、確かにレンダリングは高速で美しいです。といっても個人的には比較対象がShadeしかないのでえらそうなこと言えませんが、グローバルイルミネーションは確かに速いし美しい。ShadeのCallistoで複雑な設定をし何時間もかけてノイズまみれになって出来上がるサブサーフェススキャタリングも短時間でソツなくやってくれたりします。ただ、Shadeでは割と綺麗に仕上がるコースティクスがサポートされていなかったり、ファイナルギャザリング(よく知りません)もNGらしいです。その意味では微妙だったりします。
>残念ながら他の製品は、販売元や開発元があっちやこっちに分散したり内情がどうなっておるのか…先行き不安で迂闊に「馴染む」気にもなれないのが痛いトコでござるよ。;;
MayaとMaxが同じところになったり、Lightwaveがガタンと値下がりしたり、そうかと思えば乗換えキャンペーンと称してビックリするような値段になったりと3Dの世界はおっかないところですね^^; また、あまり合従連衡し過ぎてMacromediaを併呑したAdobeのようになられるとユーザーの財布を直撃してしまうorz
>選択肢が増えることは良いことでござる故、自分に合ったツールを探すのも、ひとつの楽しみとして捉えたいものではござるな。
よく、違うソフト同士のユーザーが険悪な雰囲気で対立してる凄惨な現場に出くわすこともありますが、多少の違いはあっても基本同じことができるならあまり目くじらたてる必要もないだろうにと思うんですが…。
あと国産商用ソフトでも世界に名を轟かせるようなものがあって欲しいものだと思うでござる! 右を向いても左を向いても南蛮ものと紅毛人の絡みあい。
日本は中途半端に市場が大きなところが仇となり、某国産軟件のように太平鎖国の惰眠を貪りもうした。日本人はmetasequoiaやRedqueenのように個々の人のレベルは高いのになかなかビジネスとして成功させられないのが口惜しぅござる。
いま一度、太平洋の彼方へ目をやりますれば…
実はHexagonにも興味を持っております。DAZが買収したはずですがその分、Poserと相性もいいでしょうし(希望的観測ですが)、チュートリアルもなかなか充実しているようですし。たしか、KT爺様が
「プラチナ会員の最後っ屁としては、十分元が取れたカンジでござろうか。」
と仰り$1.99でゲットされたのを見たときは死ぬほど羨ましかったでござるよ T^T
>今後ともよしなにお付き合いくだされ。
こちらこそ、今後ともよろしくおねがいいたします。m(^^)m
長文失礼しました。
と云うのは、実はHexagonも含まれておるのでござるよ。
開発がEoviaからDAZに移って、一応開発続行とアナウンスされておるようではござるが。
1.99$じゃなかったら、買ってなかったでござろうなあ。(笑)
早急にHexagonでなければ…と云う状況でもござらぬ故まだあんまし触ってないのでござるが、個人的にはISOライン表示状態での編集はマウスの移動量と頂点の移動量が一致しなかったりして、あまり気持ちの良いものでは無かった…と云うのが正直な感想でござる。
http://nkj.lib.net/sculpland/htmls/japanese/modeling/index.html
↑これ、何かすげー懐かしいデータでござる。
随分前にモデルデータだけ入手しておったのでござるが…
どこで入手したのか、すっかり失念しており申した。^^;
確か海外のページから辿って入手したような気がしていたのでござるが、日本の方が作ったデータだったのでござるな。
グラフィックソフトはどれだけいい書籍などが出てるかも重要なポイントだと思うのですが、本体が$1.99なんかだったりすると本末転倒な気もします(笑。
>ISOライン表示状態での編集はマウスの移動量と頂点の移動量が一致しなかったりして、あまり気持ちの良いものでは無かった
ほかのソフトはわかりませんが、modoではその心配なさそうです(あまり詳しくないので自信もっていえませんが…)。
そのかわり、比較的よく落ちます^^;
また、統合ソフトが普通に搭載してる機能がまだまだ未整備だったりしますから、モデリング以外は荒削りなソフトと言っていいかもしれません。
その他、屈折率の計算に問題があるとかマテリアル関係の入出力のバグが痛いとかもありますから、もう少し様子を見た方がいいのかもしれません。
>何かすげー懐かしいデータでござる。
私は美術の教科書に出てくるようなスタイルの人物モデリングが興味深かったです。
modoの人物モデリングを見てるとポイントはエリアごとの曲面の輪郭を描いておいてそれをソフトウェア的に補完する形で曲面を作っていくといった印象がありますね。
それでためしに自分で下絵なしで試してみたところ、これが結構使えるんですよ。これからのモデリングの方向性のひとつはこっちなのかなって気がします。