内容的には、メタセコイアの使い方にある程度習熟しており、且つSLのスカルプテド・プリムとは何かを知っておる人…と云う、微妙なターゲット向けでござる。w
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1) スカルプト・マップ用の赤、緑、青のグラデーション画像をそれぞれ、計3枚用意する。(赤ならば、RGB(0,0,0)〜RGB(255,0,0)。 緑、青も同様に黒から各色へのグラデーションにする。)
2) メタセコイアで形状をモデリングする(「元形状」とする)。 前々回の記事のように、最終的に32×32セグメントの格子状メッシュとしてUV展開できる形であるのがベスト。
(UV展開には、t2k factoryで配布されているプラグインBelt Map (Ver1.0)が便利。)
モデリング後、UV値(0,0)〜(1,1)にびったりと収まるようにUVを整える。
3) 形状のスカルプト・マップ用UVガイドとして、立方体を作成する。これをグラデーションの方向確認と、各軸の平面UV用のガイドにするので、3面を残して削除してしまって良い。
この立方体の中に納まるように、「元形状」を拡縮、移動する。
4) 「元形状」を3つ複製して、それぞれ「R_target」「G_target」「B_target」とする。
5) マテリアル(材質)を3つ作成し、それぞれに(1)で用意したグラデーションマップを設定する。(不透明度、拡散光、自己照明の値を「1.00」に設定し、他のパラメータを「0.00」にすることで、色が光源の影響を受けないようにする。)
このマテリアルを(3)で作成した立方体に割り当て、「UV操作」コマンドで平面UVを ボタンでフィットさせる。グラデーションの方向(前々回の記事参照)に注意しながら ボタンでUV方向を調整し、このUVを(4)で作った「*_target」にも適用する。
R,G,B,それぞれ3つの形状に対して、同様にグラデーションの方向を変えながらこの作業を行う。 下図は「R_target」に対してUV設定をしている様子。(図では、200四方の立方体にFitした後に、各軸0.2ずつUVガイドのサイズを拡大している。)

6) 「元形状」を更に3つ複製して、それぞれ「R_unwrap」「G_unwrap」「B_unwrap」とする。 これらのオブジェクトに、対応する各色のグラデーションのマテリアルを適用する。
7) d00で配布されているプラグイン「uv2xyz」を使用して、3つの「*_unwrap」オブジェクトをUVの形に開き、これを正面図でスクリーン・キャプチャしたものが、R,G,Bそれぞれのスカルプト・マップとなる。
R(赤)のマップを開く場合は、オブジェクトパネルで「R_unwrap」を選択した後、 メニュー → を選択。 ダイアログの「uv reference obj」ドロップダウンリストから「R_target」を選択してからプラグインを実行する。
「power uv」 の数値は、形状を開いたときの3D空間上でのサイズになるので、UVガイドのサイズと同じくらいにしておくと良い。(今回の場合は100。) 「invert v」と「bg unit rect」 のチェックは必要ないので外しておく。
こうして元の格子UV状に展開した3つのオブジェクトを、正面図でキャプチャを撮り、R,G,B別のスカルプト・マップを作る。キャプチャは3枚の(マップになる部分の)サイズが揃うように作成する事。
8) (7)で作成した3枚のキャプチャ画像(R,G,Bのスカルプトマップ)をPhotoshop等の画像編集ソフトで開き、マップ以外の不要な部分をトリミングした後、レイヤーで加算合成する。 Photoshop CS以降(だったかな?)の場合「覆い焼き(リニア)」と云う名前の合成方法になる。
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以上で一通りの手順は終了でござる。 拙者の場合、こうして出来た画像を256×256 pixelに縮小して24bitのTGA形式で保存したものを、SLにアップロードしており申す。 ただし、前々回の記事のようにプリムの面が裏返ったり、形状(特にUVのエッジ部分)がガタガタになったりする事もあるので、その都度修正とテストを繰り返して完成させる事に成り申す。 UVのエッジがガタつく場合は、マップの上下左右を1〜2ピクセルずつトリミングすることで回避できることが有り申す。 全体がガタつく場合は、ぼかし(ガウス)を軽くかけてやることで、なんとな〜く滑らかになるような気がする(笑)でござる。 このあたりは経験則でござる故、まだまだ検証の余地あり…なのでござる。
あと、キャプチャを撮るときは、メタセコイアの環境設定でプレビューのテクスチャ最大表示解像度を上げておかねば、グラデーションの階調が潰れてしまう故、これも注意でござるよ。
実際にメタセコイアでやろうとすれば、このようにマテリアルを合成できるソフトの数倍の手間がかかり申す。 故に、対応するソフトをお持ちの場合は、手順(2)以降はそちらにインポートして作業するのが良うござろう。
とまれ、元形状のモデリングを使い慣れたソフトでサクサク行えるのは、メタセコイアユーザには有り難い事では無いかと存ずる。